猪名川天文台 しつもん箱


太陽と太陽系について

星について

天の川と銀河系

宇宙について

もしものコーナー

その他


ご質問は、猪名川天文台にて受付しております。


【太陽と太陽系について】

<質問>
 彗星はどこから来るの?
<回答>
 放物線軌道の彗星は、太陽から10万天文単位(太陽から地球までの距離の10万倍)のところに 球状に広がっているオールトの雲から、 また周期彗星は、冥王星のすぐ外側に存在するベルト状の氷天体の群れである エッジワース・カイパーベルトからやってくると考えられています。

<質問>
 彗星は何からできているの?
<回答>
 彗星の核は、「汚れた雪玉」のような氷のかたまりです。
 この核の成分は約80%が水で、残りの20%が二酸化炭素・一酸化炭素で、それに微量成分として 有機化合物や砂粒のような塵(ダスト)が含まれています。
 核の大きさは数kmから数十kmです。

<質問>
 彗星にはどうして尾があるの?
<回答>
 「汚れた雪玉」の状の彗星の核が、太陽に近づくと熱で解け蒸発しガスが発生します。 このガスが太陽風によって吹き飛ばされたものが彗星の尾となります。
 彗星の尾には、太陽の反対側に細くまっすぐ伸びるイオンテイル(プラズマの尾)と 幅をのあるダストテイル(塵の尾)が見られます。彗星が「ほうきぼし」と呼ばれるのは ダストテイル(塵の尾)がちょうどほうきのような形に発達するからです。

<質問>
 夕日はなぜ赤いの?
<回答>
 太陽が西に沈むとき、真上に比べて斜めに光が入ってきます。 その分大気の層を通過する距離が長くなり、空気中の塵や水蒸気などに光が吸収されます。 とりわけ青色が吸収されやすく、そのため残った赤色が強くなって、夕日が赤く見えるのです。

<質問>
 地球になぜ海があるの?
<回答>
 46億年前に地球が生まれたとき、氷で出来ている彗星がたくさん地球に衝突したからです。 彗星が地球に水をもたらしたのです。

<質問>
 惑星の名前は誰が付けたの?
<回答>
 日本で使われる名前は、中国から伝わった陰陽五行説を引用したものです。 その意味は 「世界は五つの要素(木、火、土、金、水)に分けられる」 という考え方です。 太陽の周りを忙しく動く惑星は水の要素で水星。金色に輝く惑星は金星。赤く輝く惑星は火星。 黄色に輝く惑星は土の要素で土星。残りの惑星に木星となずけました。
天王星、海王星、冥王星は西洋で見つかり、なずけられた神様の名前を日本語に訳したものです。

※ 西洋ではローマの神様の名前がつけられています。
  水星  マーキュリー 伝令の神   太陽の周りをめまぐるしく動く
  金星  ビーナス   美の女神   明るく美しく輝く
  火星  マース    戦いの神様  赤く輝く
  木星  ジュピター  神々の王者  落ち着いた輝き
  土星  サターン   土と農耕の神 黄色の重厚な輝き
  天王星 ウラヌス   天空の神   青い輝き
  海王星 ネプチューン 海の神    青い色
  冥王星 プルート   冥界の神   太陽系の果てにある

※ 地球  earth アース or globe グロウブ(地球が丸いことを強調して)


【星について】

<質問>
 星はどのように生まれるの?
<回答>
 宇宙空間には、地球上の空気などにはくらべものにならないほど薄いけれど、 水素を主成分とする気体が広がっています。これは「星間ガス」と呼ばれていますが 真空中にポツンポツンと水素の原子が浮かんでいる程度でしかありません。
 この星間ガスが、何かの拍子に集まり始めると「分子雲」を形成します。 これがさらに集まってくると、やがて自己の重力で収縮し、その力により発熱を始めます。 これを原始星と呼びます。この原始星がさらに収縮し、中心部の温度が1000万度以上に なると、水素の核融合反応が始まり、光を放射するようになります。これが、星の誕生です。


【天の川と銀河系について】

<質問>
 天の川って何?
<回答>
 天の川を天体望遠鏡で観察すると、無数の星々の集まりであることが判ります。
 われわれの太陽系は、銀河系という直径が10万光年、厚みが1.5万光年の円盤型の 渦巻銀河の中にあります。
 銀河系の中から外を見ると、その断面を見る方向にたくさんの星々が集まって見えます。 これが、天の川です。天の川は、いて座の方向が幅広く光も濃く見えますが、これは銀河系の 中心方向を見ているからです。


【宇宙について】

<質問>
 宇宙って何歳?
<回答>
 およそ150億年前に宇宙が誕生したと考えられています。


【もしものコーナー】

<質問>
 もしも月がなかったら?
<回答>
 微惑星が地球と衝突するという偶然がなかったら、地球には月という衛星はなかった。 月のない地球では、潮汐力の減退により自転速度が地球よりずっと速く、1日は8時間となる。 強風が絶えず荒れ狂い、高山も存在せず、生命の進化も遅い。人類は音声言語以外の、 光やテレパシーによる言語を発達させるかもしれない。何より満ち欠けする月という明確な 暦のない生活は不便であり、農業や天文学は独自な発展をとげるだろう。
 〜〜 ニール・F・カミンズ著『もしも月がなかったら』から抜粋 〜〜

<質問>
 もしも月が地球にもっと近かったら?
<回答>
 月がもっと地球に近いところにあると、公転周期が短くなり、日食や月食がきわめてひんぱんに 起こる。近い月は宇宙から降り注ぐ隕石から地球を守る絶好の盾となり、有名な隕石衝突による 恐竜絶滅というシナリオも変わることだろう。また潮の干満差が激しく、地震も頻発する。 激しい潮流・高波の外洋はきわめて危険で、個々の生物は陸地に閉じ込められて独自の進化を とげる。また、明るすぎる夜空は天文学の発展を遅らせるだろう。
 〜〜 ニール・F・カミンズ著『もしも月がなかったら』から抜粋 〜〜

<質問>
 もしも地球の質量がもっと小さかったら?
<回答>
 現在の質量の4分の1まで地球を小さくすると、内部のマグマが減り、地殻が厚くなって大陸移動は おこりにくくなり、地震・火山活動の頻度が極端に小さくなる。また大気が薄くなるため、隕石の雨は 燃え尽きることなく地表に激突する。薄い空気と小さい重力は、動物の生体機能や移動手段に大きな 変化をもたらす。酸素が少ないため、小型動物は生存しにくく、人類は肺を大きくするため、背を高くし 胸を厚くするだろう。
 〜〜 ニール・F・カミンズ著『もしも月がなかったら』から抜粋 〜〜

<質問>
 もしも地軸が天王星のように傾いていたら?
<回答>
 地球の季節が変化するのは、地軸の傾きとその方向が一定であるためである。もしも地球の地軸が 90度傾くと、寒暖差は激しく過酷なものになる。昼と夜の長さが極端に変わる季節の中で、植物は、 根を地中深く伸ばし、熱コントロール・システムを発達させ、動物は、冬眠と渡りという戦略を大規模に 展開する。地球の生命は月や気温変化などの副次的な同調化装置で生物時計を動かしているが、これに 代わる別な同調化装置が必要となる。
 〜〜 ニール・F・カミンズ著『もしも月がなかったら』から抜粋 〜〜

<質問>
 もしも太陽の質量がもっと大きかったら?
<回答>
 太陽の質量を今の1.5倍に大きくして、なお地球上の生命を維持するためには、地球の公転軌道を 3.5倍に伸ばさなければならない。すると、1年の長さは1.5倍になり、氷河作用が暴走して、 地表は万年雪に閉ざされる。また、大きな太陽から放射される強力な紫外線は大量のオゾンを破壊し、 生物にも深刻な影響をおよぼす。太陽が赤色巨星となるカタストロフの前に、人類は叡智をしぼって、 惑星大移民を企図することだろう。
 〜〜 ニール・F・カミンズ著『もしも月がなかったら』から抜粋 〜〜

<質問>
 もしも地球の近くで恒星が爆発したら?
<回答>
 地球から50光年離れたところで恒星が爆発したらどうなるか。50年間は地球には何の変化も伝わらない。 突然、月の50倍の明るさで超新星爆発の光と同時に莫大な量の放射線が地球に到達する。 大量の生物がガンで死んだり、食物連鎖の破壊で餓死し、生きのびた種にも突然変異が同時多発する。 地下シェルターなどに避難できた人間も、長引く地表への電磁放射と、突然変異による食物連鎖の崩壊の 中で、激しい生存競争をしいられる。
 〜〜 ニール・F・カミンズ著『もしも月がなかったら』から抜粋 〜〜

<質問>
 もしもオゾン層が破壊されたら?
<回答>
 オゾン層は人間の活動によって急速に破壊が進行している。オゾン層が破壊されると、地表に到達する 紫外線の量が増加する。すると、海の食物連鎖が崩壊し、特定の種の絶滅にもつながる。陸上では皮膚ガンが 多発、人体の免疫能力が低下し、白内障も増加する。また大気中のガスの化学的性質が変化し、気象にも 重大な影響をおよぼす。
 〜〜 ニール・F・カミンズ著『もしも月がなかったら』から抜粋 〜〜


【その他】

<質問>
 南極でたくさんの隕石が発見されているそうですが、どうして南極にばかり隕石が落ちるのですか?
<回答>
 隕石の落下が南極に多いというのは間違いです。
 地表に隕石が落下すると、地上の岩石と区別がつきにくいため発見されにくく、 また、風雨にさらされて風化してしまいます。
 しかし、南極や北極付近に落下すると、雪や氷の上に落ちることになるので、比較的発見されやすく、また、 氷の中に閉じ込められると風化の作用も進行しにくくなり、落下した時の状態がそのまま保存されることになります。
 特に南極では、氷河の移動の作用で氷に閉じ込められた隕石が掃き集められる場合があり、これが大量発見につながっています。

<質問>
 写真では非常にきれいな星雲や銀河でも、望遠鏡で眼視すると白くて淡い雲のようにしか見えないのはなぜですか?
<回答>
 星雲や銀河を写真に撮影する場合は、数分から数十分の時間をかけてフィルムに露光しますので淡い光も 蓄積されてはっきりと写るようになります。対して、人間の目は、その瞬間の光にしか感じない(光を蓄積できない) ので淡い光はかすかにしか見ることができません。

<質問>
 猪名川天文台はいつできたのですか?
<回答>
 2002年4月6日にオープンしました。



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