日食観測情報 |
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新月とは、地球から見て月が太陽の方向にやってきて、ちょうど月の影の面のみが地球に向いている 状態です。その新月が太陽の前面を通り過ぎる現象が日食で、太陽の欠けた部分は、実は、新月の影の 部分です。 ただ、新月のたびに太陽と重なるわけではなく、また、地球上で見えるのは月の影が投影されている 範囲のみであるため、日食が見える機会は意外と少ないのです。 ![]() 【図1】日食のおこる仕組み 【日食の種類】 新月が太陽の一部を隠す現象を、部分日食といいます。 新月が太陽を完全に覆い隠してしまう現象を皆既日食といいます。このとき、太陽の周囲に広がるコロナを 観ることができます。 また、新月の見かけの大きさが太陽の見かけの大きさより小さいI場合に太陽の周囲がリング状にはみ出して 見える現象を金環日食といいます。 太陽の周りを周る地球の軌道も、地球の周りを周る月の軌道もどちらも、楕円軌道であるために、それぞれの 位置関係によって見かけの大きさが変化し、皆既日食や金環日食が起こることになります。 ![]() 【図2】日食の種類 【2019年1月6日の部分日食】 食始 8時40分 最大 9時57分(食分0.378) 食終 11時22分 猪名川天文台ではあいにく朝から雪が降っており絶望的な状況でした。 そんな雪の降る中でも、あきらめずにじっと空を眺めていると、食の最大を過ぎた頃に一瞬雲が薄くなったところからなんと太陽が姿を見せたのでした。 もちろん雪が降っていたので望遠鏡の準備も全くしていなかったので、とりあえず手持ちのカメラで撮影したのがこの写真です。 太陽撮影用の減光フィルタすらもつける時間が無かったのですが、うす雲により減光されなんとか撮影することができました。 ![]() 2019年01月06日の猪名川町での部分日食の姿 【撮影】 畑田尚起 【日時】 2019年01月06日10:43 【撮影地】 猪名川天文台 【カメラ】 Canon EOS Kiss X8i 【レンズ】 Canon EF-S55-250mm f/4-5.6 IS II 【焦点距離】 250mm 【撮影条件】 ISO100 F11 1/1250秒 デジタルズーム 【2012年5月21日の金環日食】 2012年5月21日に日本国内で金環日食が起こります。 日本国内では1987年9月23日の沖縄で見られた金環日食以来、25年ぶりです。次回も2030年6月1日の北海道で見られる金環日食まで18年間起こらない、非常にめずらしい現象です。 時刻は朝の7時30分前後で、金環日食の最大継続時間は日本で約5分です。 金環日食が見られるのは、本州・四国・九州などの太平洋側です。猪名川町は、ぎりぎり金環食帯の外になりますので、金環日食のリングの東の端がわずかに切れた部分日食として見ることができます。 ![]() 2012年5月21日の部分日食の猪名川町南部での見え方 (ステラナビゲータ9で作成) 食始 6時17分 最大 7時30分(食分0.938) 食終 8時54分 【2012年5月21日の猪名川町での日食の様子】 猪名川町では時折雲が太陽を隠すことがあったものの、ほぼ全経過を観察することができました。 猪名川町では金環日食にはならず、わずかにリングが切れた部分日食でした。 ![]() 2012年05月21日の猪名川町での部分日食の姿 【撮影】 畑田尚起 【日時】 2012年05月21日07:30 【撮影地】 猪名川町立松尾台小学校 【カメラ】 DMC-FZ7 アストロソーラーシート 【撮影条件】 ISO100 F6.3 1/250秒 デジタルズーム ![]() 2012年05月21日の部分日食の時の気温と照度の変化(於:松尾台小学校) 【2012年5月21日の淡路島での金環日食の様子】 淡路島ではきれいにリングがつながった、金環日食でした。 ![]() 2012年05月21日の淡路島での金環日食の姿 【撮影】 長濱辰夫 【日時】 2012年05月21日07:29 【撮影地】 淡路島(五色町) 【望遠鏡】 ペンタックス105EDHF 【カメラ】 キャノンEOS kiss DN 【フィルタ】 ND5フィルター 【撮影条件】 ISOは100 1/30秒 【2012年5月21日の西宮市での金環日食の様子】 西宮市ではきれいにリングがつながった、金環日食でした。金環の直前のベイリービーズを撮影することができました。 ![]() 2012年05月21日の西宮市での金環日食の姿と、直前に見られたベイリービーズ 【撮影】 石生伸一 【日時】 2012年05月21日07:30〜07:31 【撮影地】 兵庫県立西宮高等学校 屋上 【望遠鏡】 タカハシFC76 屈折望遠鏡 【カメラ】 CANON 5D 【フィルタ】 金属蒸着ガラスフィルター サウザンドオークスオプティカル社製 【撮影条件】 ISO400 露出1〜2秒 【2010年1月15日の部分日食】 1月15日の日没直前に部分日食が見られます。 猪名川町では食の最大となる前に日没となってしまいますが、太陽が欠けたまま沈んでいく様子は、興味深い光景となるでしょう。 ただし、欠け始めの太陽の高度は3.4度程度ですので、西の空が開けており地平線まで見渡せる場所でないと見ることはできません。 猪名川天文台は、西の空は完全に開けていますので欠けたまま太陽が沈む姿を見ることができるでしょう。 ![]() 2010年1月15日の部分日食の猪名天文台での見え方 (ステラナビゲータ8で作成) 【2010年1月15日の日食の様子】 15日の部分日食は猪名川天文台でもなんとか見ることができました。 雲が多く、17時ごろから10分間程度だけ太陽が姿を見せその後また雲の中に沈んでいってしまいました。 ![]() 10/01/15の部分日食の姿 【日時】 2010年1月15日17:06 【撮影地】 猪名川天文台 【カメラ】 DMC-FZ7 【撮影条件】 ISO100 F8.0 1/2000秒 中央部をトリミング ![]() 10/01/15の部分日食と猪名川天文台 【日時】 2010年1月15日17:07 【撮影地】 猪名川天文台 【カメラ】 DMC-FZ7 【撮影条件】 ISO100 F8.0 1/80秒 【2009年7月22日の部分日食】 7月22日は46年ぶりに日本国内で皆既日食が見られます。 ただし、皆既日食が見られるのは、奄美大島北部、トカラ列島、屋久島、種子島南部などのごく一部の陸地と、海上のみです。 猪名川町では、皆既日食は見られませんが、太陽の80%以上が欠ける部分日食として見ることができます。 大阪付近では、午前9時47分から欠けはじめ、11時6分にもっとも大きく欠け、12時25分に 食が終わります。 今回は太陽の南側が大きく欠ける部分日食で、大阪付近での食分(欠ける割合)は最大時で0.821となります。 ![]() 【図3】猪名川町での日食の見え方 (ステラナビゲータ8で作成) 食始 9時47分 最大 11時 6分(食分0.821) 食終 12時25分 【2009年7月22日の日食の様子】 梅雨が明けきらず、空一面に雲が広がり非常にややこしい天気ではありましたが、 猪名川天文台では雲の切れ間から時折薄雲を通して欠けた太陽の姿を見ることができました。 ![]() 【09/07/22の部分日食の連続写真】 ほとんど雲にさえぎられてしまい、連続には程遠い写真となってしまいましたが、 あの天候の下でこれだけ撮影できたのはラッキーです。猪名川天文台にて撮影。 ![]() 【雲の切れ間から姿を見せる欠けた太陽】 川西市内で撮影。 本州は天気に恵まれませんでしたが、小笠原の北硫黄島付近では快晴の下、皆既日食を見ることができました。 ![]() 【皆既日食】 ![]() 【ダイヤモンドリング】 【2004年10月14日の部分日食】 10月14日の昼ごろに部分日食が起こります。 大阪付近では、午前10時51分から欠けはじめ、11時36分にもっとも大きく欠け、12時21分に 食が終わります。 今回は太陽の北側のみが少し欠ける部分日食で、大阪付近での食分(欠ける割合)は最大時で0.147となります。 ![]() 【図4】南空の日食の見え方 食始 10時51分 最大 11時36分(食分0.147) 食終 12時21分 【2004年10月14日の部分日食の様子】 当日は快晴で、日食の欠けはじめから、終わりまで全工程観測することができました。 ![]() 【10/14部分日食の様子】 【日時】 2004年10月14日10:51〜11:56 【撮影地】 猪名川天文台 【カメラ】 QV-3500EX+4倍デジタルズーム ND-8+ND-400フィルタ 【撮影条件】 ISO100 F8 1/1000秒 【今後の日食スケジュール】 これから猪名川天文台で見られる日食は以下のとおりです。 2010年 1月15日 部分日食 日食の最大:17時10分(食分0.284) 2012年 5月21日 部分日食 日食の最大: 7時30分(食分0.944) (この日、九州・四国・近畿・中部・東北の一部、関東で金環日食が観測できます。) 2016年 3月 9日 部分日食 日食の最大:10時58分(食分0.232) 2019年 1月 6日 部分日食 日食の最大: 9時57分(食分0.378) 2019年12月26日 部分日食 日食の最大:15時31分(食分0.369) 2020年 6月21日 部分日食 日食の最大:17時10分(食分0.538) 2030年 6月 1日 部分日食 日食の最大:17時 8分(食分0.733) (この日、北海道で金環日食が観測できます。) 2032年11月 3日 部分日食 日食の最大:15時32分(食分0.508) 2035年 9月 2日 部分日食 日食の最大:10時 0分(食分0.929) (この日、中部・関東の一部で皆既日食が観測できます。) |